地域的特色」は結局「平均値」の現れに過ぎない。我々は確かにこの平均値を通じて「概要」を素早く理解することが出来るが、それでも各地域について深く理解する必要がある。そして、この「概要」によって差別的な態度が生まれてはならない。
台湾から日本に働きに来たばかりの人にとって、まず最初に考えることは、どこに住居を借りるかということ。そして、台湾に戻らず、日本にずっと住み続けると決めた人は、どこに家を買うべきか考えるようになる。
もし、最終的に東京に住むことを選んだのであれば、自分自身の条件や生活習慣、ニーズを考慮するだけでなく、東京23区の各区の特徴も知っておく必要がある。なぜなら、東京の中でも地区によって、日本人の目には全く異なる意味合いを持つからである。
そのため、「東京のイメージ地理」を理解することは非常に重要なこととなる。
ドラマ「東京女子図鑑」から、日本人が住む地域に対して持っているイメージを覗いてみよう。
ドラマ「東京女子図鑑」では、「住所」が日本人にとっていかに重要であるかが鮮明に描かれている。自分自身が住んでいて快適に感じるだけでなく、他の人が自分の住所を知ったときに抱くイメージも考慮しなければならないのである。
主人公が東京で働き始めたばかりの頃、彼女は「三軒茶屋」に住むことを選んだ。ドラマでは、この地区について次のように描写されている。「…レトロな雰囲気にあふれ、新しいお店が次々とオープンし、古さと現代が混在する不思議な雰囲気。ちょうどいい感じのおしゃれさで、ちょうどいい感じの俗っぽさ。この中途半端さが、今の私にぴったりなんだ…」
ここから分かるのは、若い日本の女性にとって、彼女はあまりにも俗っぽい場所には住みたくないが、おしゃれすぎる場所は今の自分の収入では手が出せないということである。そのため、三軒茶屋のような古さと新しさが交わる地区は、自分自身の感覚と他人の評価のバランスが取れた完璧な場所なのである。
ドラマの展開とともに、主人公の収入も徐々に増え、彼女はよりおしゃれな場所である「恵比寿」に引っ越す。「恵比寿」について、彼女はこう語る。「ここに住んでいる人は、三軒茶屋とは違う。女性として、みんな万全の態勢で、いつ下着を脱いでも恥ずかしくないように、体も身だしなみも万全なの…」このような印象は、恵比寿に住む多くの日本人女性の心の中にも確かに存在する。夜の恵比寿は、三軒茶屋とは全く違う雰囲気なのである。
しかし、主人公がもっと高収入の外資系企業に転職すると、彼女はかつて華やかな大人の街の印象を与えてくれた恵比寿に別れを告げ、20代の女性から卒業し、都会の女性にふさわしい東京で最も豪華な地区「銀座」に引っ越す。
銀座の雰囲気は、このMVからも感じ取ることができる。